私は専門学校でファッションデザインを学び、新卒で入社しました。衣料関係、とくにデザイナーは本当に狭き門。でもどうしてもデザインの仕事でやっていきたくて、就職活動では会社はたくさん受けました。そのなかで感じたのは、自分は「大きい会社」というよりは「面白いことをやっている会社」に入りたいな、ということだったんです。
私は横浜生まれ横浜育ちなので、チャイハネのお店はもちろん以前から知っていました。その独特の世界観は好きだったし、アミナコレクションなら、何か面白いことができるんじゃないかなと思って。同期は4人全員女性、うち2人が中途で私が一番年下でした。それぞれ個性的ですごく面白い人たちで、年齢に関係なく分け隔てなく仲良くしてくれて。
会社全体の雰囲気も、部署の垣根を越えて、話しやすくて相談しやすいんです。展示会などでは営業とやり取りがあったり、商品のことだと仕入部にあれこれ頼んだり。質問や相談を持ちかけても皆親切に答えてくれるので、気軽に話しに行けるんです。色々な人、色々な仕事と関わりながらできるのもいいですね。
とにかく、「人」が良いんです。楽しい会社だと思います。入ってよかったです!
基本的に、上司の方々は、部下を育てようという姿勢で接してくれますね。良い所はすごくほめてくれて、認めてくれて。仕事も色々、どんどん任せてくれる。すごくありがたいなあと思います。
それに、入ってから1年足らずで、海外出張にも行かせてもらって。初めてのインドだったのですが、2週間がっつりでした。大変なことはなかったですね。現地で仕事をするのがすごく楽しかったんです。今入社2年半で、インドには4回行っています。
デザイナーは、インドや中国をはじめ、タイ、ネパール、バリなどの現地メーカーと直接やりとりをします。模様のデータ、絵型、サイズ、色指定などを指示書にして送ったりしています。通常はメールです。
でも実際に現地に行ってみると、直接会って話せるのでやり取りが早いし、メーカーさん側からも色々提案してくれたり。実は、英語はまだそんなに話せないんですけど…仕事の話は、意外とどうにかなります。ただ、デザイナーは値段にも関与しますので、特に発言には責任を持つようにはしていますね。
実は私、もともとインドや中国に興味があったわけではないんです。インドの生地ひとつとっても、柄の名称から分からないし、デザインの特徴も分からない。最初はけっこう苦しみました。
でも、インドに出張に行けたことで、意識がかなり変わったような気がします。縫製工場なども見せてもらえたのですが、圧倒されましたね。学生時代は、1着デザインして1着作るという感じだったので。こんなにたくさんの現地の人たちが関わっていて、大量の生地や服を作っているんだ、と。
縫製を行っているのは、ほとんど男性。そのそばで世話役のような仕事をしているのが女性でした。その、派手でカラフルなサリーを着ている“気さくなおばちゃんたち”が、一緒に写真撮ろう、とか色々話しかけてきてくれて。そういうことも楽しかったですね。
その土地の空気、そこから出てきた色や柄、人々に、直接ふれることができて。本当に刺激的でした。
それから、社内には古い文献や貴重な資料なども多くあるので、もう一冊一冊どんどん開いていって、ひたすら知識を貯めました。今は、もう面白くて仕方ないですね。
アミナコレクション各ブランド商品(衣料・雑貨)のデザイン。
中国・インドなど現地メーカーへのデザイン指示、折衝(通常のやり取りは主にメール)。
海外出張にて、現地スタッフとの折衝、工場視察など。
以前研修で、販売員として店舗に立つ機会があって。そこでお客さんが「これカワイイ!」と手に取ってくれた商品が、自分のデザインしたものだったんです。「わ~!ホントですか!?」と、内心叫びました。本当にうれしかったですね。
それから社内でも、他の部署の人たちが自分の手がけたものを着てくれているのを見ると、やっぱりうれしいです。こういう感じの人がこういう系統の服を選んでくれるんだな、こういう年代の人に好まれるのはこういうデザインなのかな、等々、しっかりリサーチさせていただいています。
もちろん、“産みの苦しみ”もあります。でも、最初うまくアイデアが出なかったものに限って、会社にとっていいものになったりとか、悩んで悩んで、急に方向転換してみたらパッと見えてきたりとか。「悩み」といっても基本的にデザインのことなので、それはストレスだと思わないようにしようと決めています。つらいことも、今はつらいけど将来面白かったって思えるかもしれないし。今後の自分のために勉強しよう、楽しもう、と。
流行のものを直接取り入れて作るという仕事でもないし、かといって伝統に縛られているわけでもない。アミナコレクションのデザイナーとして、お客様がハッとするデザインを生み出せたらいいな、と思うんですよ。生産者からメーカーさんも含めて関わった人間が皆、それを誇れるような商品を開発できるようになりたい。
今後は、会社で新しく立ち上がっていくブランドのデザインも手がけてみたいですね。既存のブランドでもまだ衣料を扱っていないところもあるので、それらも含めて。各部門それぞれが、違う“文化”を持っているのがアミナコレクションの特徴でもありますので。もっともっと色々な文化にふれて楽しく勉強しながら、自分自身のデザインの幅も広げていきたいですね。